松江市の予算2

 松江市の予算の続き。
 
平成20年度当初予算の概要 − 松江市
http://www.city.matsue.shimane.jp/jumin/gyouzaisei/zaisei/t-yosan20/pdf/h20gaiyou.pdf
 
 歳出918億円の詳細。
 
 まずは性質別支出について。

 
 このうち義務的経費(=人件費+扶助費+公債費)は424億円と46.2%を占めるが、自主財源372億円を超えている。依存財源546億円のうち、地方交付税(205億円)と国庫・県支出金(204億円)がどのような計算で分配されるか分かっていないので軽はずみなことは言えないが、危なっかしいというのが第一印象。まあ、国や県に首根っこを押さえられているのは確実かと。

種別 算額 割合 備考
人件費 149億円 16.3% 市職員の給料・諸手当・退職金
扶助費 134億円 14.7% 生活保護費や医療助成費、児童手当
公債費 139億円 15.2% 市債の返済元本と返済利息、一時借入金の利子
合計 424億円 46.2%  

 人件費149億円についてですが、合併市:松江市 〜日本都市センター〜より2006年3月24日現在で、

  • 一般職員数1,583人

だから、単純計算すると一人あたり年941万円(=149億円÷1,583人)となる。ちなみに退職金6.7億円を除くと一人あたり年897万円(=142億円÷1,583人)となる。ただ、これは一般会計に限った話だから、特別会計企業会計を加えたら、さらに凄いことになるのは間違えなし。
 
 この他の支出については以下の通り。

種別 算額 割合 備考
物件費 101億円 11.0% 賃金、旅費、交際費、需用費等
維持補修費 9億円 1.0% 道路、公共施設などの管理
補助費等 45億円 5.0% 自治体や民間への負担金・補助金交付金
積立金 1億円 0.2% 財源変動に備えて積立てる資金
出資金 7億円 0.8% 国債等への投資、財団法人設立等にかかる出資
貸付金 43億円 4.7% 地域福祉増進や地域振興を図るための資金
繰出金 98億円 10.8% 特別会計企業会計へ移される資金
投資的経費 186億円 20.3% 道路、橋、公園、学校の建設など、社会資本整備費
予備費 0.3億円 0.0%  

 物件費101億円の中に入っている「賃金」は、たぶん嘱託職員(臨時職員)への給料なのでしょうが分かりにくいですね。民間から見ると異常な分類方法です。
 貸付金43億円は、あくまでも貸し付けているんですよね。とすると、返済されているはずなのですが、歳入を見てもそれらしきものはありません。しいて言うならば、諸収入53億円でしょうか。貸付元本と貸付利子の内訳について、貸付金の残高を含めて知りたいものです。
 繰出金98億円がよく分かりません。特別会計企業会計に対する費用なのか、それとも貸付なのか。歳入を見ると繰入金5.7億円とあるので、どうやら貸付のようですが、繰出金(98億円)に対して繰入金(5.7億円)の額が少なすぎるので不良債権(要するに返済さない)の可能性が高いかと。
 
 それにしても貸借対照表が見当たらないので実態をつかむのが難しいです(探し方が悪いのか?)。公開されているのは、市債残高が平成20年度末見込みで1,373億円という負債ぐらいでしょうか。現預金や未収金(市税等)といった資産や、特別会計企業会計が抱える借金(借換債?)は不明。また、ティファニー美術館に関して堀内不動産株式会社が松江市に対して起こした損害賠償請求次第では、最大47億円+利子を支払わなければなりません。
 以下、資産として存在している(らしい)ものの一覧。(残高は不明ですが)

 資産や負債の残高一覧表(要するに貸借対照表)が見てみたいです。