ニューオリンズと松江市の観光2

 ニューオリンズと松江市の観光の続き。
 
 少し古いデータ(2005年)ですが、松江市の観光消費額は年間649億円とのことです。また、観光客の実数は300万人(宿泊161万人、日帰り138万人)とあります。と言うことは、ニューオーリンズの観光客数800万人の3分の1の規模なのか?(それでも松江市の観光客数が多いような気がする。と言うか、出張等のビジネス客も含まれている気がする)
 ちなみに、よく言われている観光客800万人とは「観光入込客延べ人数」のことで、観光客の実数(「観光入込客実人数」)300万人とは大きく異なります。これって何も知らない一般人からは、大幅に水増しされているとしか見えないです。
 と言うことで、松江市の観光客の一人当り消費額は21,600円(=649億円÷300万人)となります。
 
松江市観光振興プログラム:資料
http://www.city.matsue.shimane.jp/kankou/prgram/siryou.pdf
 
 ニューオーリンズと比べると観光客一人当りの消費額は2〜3倍もの差があります。ニューオーリンズ松江市では算出方法が異なる可能性があるのですが、概ね合っているかと思われます。
 仮に、松江市が現在のような観光政策を続ける限り、ニューオーリンズと同じく観光消費年額5,000億円に到達するためには、観光客の数を現状300万人(800万人という数字を使うのはやめます)の7〜8倍に増やす必要があります。と言うことは、年間2,000万人(延べ人数ならば年間5,000万人)の観光客を受け入れる必要があるということです。宿泊施設のキャパシティのこともあるし、これって現実的ではないですね。
 
 なお上記資料によると松江市の宿泊観光客の平均宿泊数は1.15泊とのこと。少ないです。この数字を2〜3泊にすることで一人当りの消費額は大幅に増えるので、ここらあたりを頑張るべきでしょう。
 観光客を増やすことよりも、観光の質を変えること(例えば、長期滞在型・リゾート型への変更)に力を入れた方が効率的だと思うのですが、松江市の政策を見る限りダメな感じです。