松江市の予算3

 松江市の予算松江市の予算2の続き。
 
平成20年度当初予算の概要 − 松江市
http://www.city.matsue.shimane.jp/jumin/gyouzaisei/zaisei/t-yosan20/pdf/h20gaiyou.pdf
 
 歳出918億円の詳細。
 
 次に目的別支出について。

 人件費に関連するものがないので、おそらく各支出に人件費相当分も含まれているのでしょう。

種別 算額 割合 備考
議会費 5億円 0.6% 議員報酬や議会・委員会の運営経費
総務費 78億円 8.5% 全般的な管理事務に関する経費
民生費 216億円 23.6% 社会福祉身体障害者、高齢者、児童福祉等に関する経費
衛生費 138億円 15.1% 保健事業や環境対策に関する経費
労働費 7億円 0.9%  
農林水産業 33億円 3.6% 農業、林業水産業に関する経費
商工費 45億円 5.0% 観光や商工業に関する経費
土木費 122億円 13.4% 道路・橋・公園・学校等の整備費や維持管理経
消防費 26億円 2.9% 消防や防災に関する経費
教育費 99億円 10.8% 教育委員会や小中学校等に関する経費
災害復旧費 0.2億円 0.0% 災害被害にあった施設等の復旧費
公債費 139億円 15.2% 市債の返済元本と返済利息、一時借入金の利子
諸支出金 3億円 0.4%  
予備費 0.3億円 0.0%  
合計 918億円    

 目につくのは、民生費216億円(23.6%)と衛生費138億円(15.1%)を合わせると、予算の3分の1を超えることです(354億円:38.7%)。人口が20万人弱なので、福祉や保健衛生のサービスに対して、1人あたり17万円以上(=354億円÷20万人)を費やしている計算になります。これって、主に誰が恩恵を受けているのかしら。
 土木費122億円(13.4%)や農林水産業費33億円(3.6%)にしても、民生費や衛生費と同様に県の組織とかぶる部分がありそうなので、業務の見直しをすることにより予算を削減することが可能だと思います(島根県:組織別情報)。
 それに引き換え、想像以上に少なかったのが商工費45億円(5.0%)。ニューオーリンズの2億1,000万ドル(200億円以上)に比べると、かなりの差を感じてしまいます(過去のハリケーン被害から学んだニューオーリンズは“憂いなし” - ビジネススタイル - nikkei BPnet)。国や県レベルでも松江市の観光に対する支出はありますが、国際観光文化都市であり、観光業をプッシュしているにしては、ちょっと少ないんじゃないでしょうかね。
 
 ところで、教育費99億円(10.8%)は、5〜14歳の人口が1.9万人(松江市:5歳階級別人口)なので、おおよそ1人あたり50万円程度(=99億円÷2万人)を費やしている計算になります。これが多いか少ないか。
 と言うことなので、人口が同程度の20万人規模の都市と比べてみることにします。比較対象は、埼玉県熊谷市
 
熊谷市:H20当初予算資料【詳細版】
http://www.city.kumagaya.lg.jp/about/zaisei/yosantuite/20yosangaiyou/files/hppdf.pdf
 
 熊谷市の歳出は564億円と、松江市の歳出918億円より354億円も少ない水準です。松江市に比べると、財政規模が小さいですね。

種別 算額 割合 備考
議会費 4億円 0.8% 議員報酬や議会・委員会の運営経費
総務費 66億円 11.8% 全般的な管理事務に関する経費
民生費 179億円 31.8% 社会福祉身体障害者、高齢者、児童福祉等に関する経費
衛生費 54億円 9.6% 保健事業や環境対策に関する経費
労働費 4億円 0.8%  
農林水産業 12億円 2.2% 農業、林業水産業に関する経費
商工費 12億円 2.2% 観光や商工業に関する経費
土木費 76億円 13.6% 道路・橋・公園・学校等の整備費や維持管理経
消防費 25億円 4.6% 消防や防災に関する経費
教育費 56億円 10.1% 教育委員会や小中学校等に関する経費
公債費 69億円 12.3% 市債の返済元本と返済利息、一時借入金の利子
諸支出金 3億円 0.4%  
予備費 1億円 0.2%  
合計 564億円    

 議会費4億円と消防費25億円は松江市と同規模ですが、その他の項目は大幅に下回っています。教育費56億円は、松江市の半分近い数字です。
 
 人口密度が違いすぎるので(面積は松江市の方が4倍大きい→非効率的にならざるをえない)同程度の人口だからと一概に比較することはできませんが、工夫する余地はおおいにありそうです。